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下谷七福神のひとつ!毘沙門天を祀っている
最近は若い人でも神社・寺に興味を持つ人が増えています。
神社・寺の歴史を知ることは、日本の歴史を知ることでもあります。
楽しみながら神社・寺の知識を増やすことができるのが神社・寺めぐりです。
日本には全国に七福神があります。
七福神めぐりは江戸時代の風習で、縁起が良いことから現在でも続いています。
東京にも多くの七福神めぐりがありますが、ここ数年で注目度が上昇中なのが下谷七福神です。
下谷七福神はJR鶯谷駅からスタートします。
JR鶯谷から地下鉄日比谷線三ノ輪駅の地域が下谷七福神めぐりのルートになります。
下谷七福神はJR鶯谷の近くにある元三島神社からスタートします。
鶯谷はホテル街としても有名ですが、元三島神社はホテル街の真ん中にあります。
JR鶯谷から1分もあれば到着するほど近いです。
元三島神社からスタートして4つ目が法昌寺になります。
この寺は武道成就や厄除けで有名な毘沙門天を祀っています。
法昌寺は正式な名称が日照山法昌寺になります。
現在の場所に移転したのは1737年です。
法昌寺は山門の正面に本堂がありますが、本堂の右側に毘沙門天があります。
毘沙門天は仏教の四天王のひとりで、北方を守護して富を司っているインドの有名な神様です。
唐の武人装束をまとって昔から武人たちの信仰を受けています。
毘沙門天のルーツはインドの古い神様で、日本に四天王が伝来したのは仏教の伝来と同じ時期です。
平安時代には平安京を守護するために都の北に立てられた鞍馬時に毘沙門天が祀られます。
山門をくぐりぬけると日蓮上人像があります。
日蓮上人は鎌倉時代の僧で、日蓮宗の改組として有名です。
たこ八郎との縁は?たこ八郎地蔵
法昌寺はたこ八郎地蔵でも有名です。
地蔵は人々を苦しみから救ってくれる存在で、日本全国に様々な地蔵があります。
台東区下谷2丁目の法昌寺はコメディアンたこ八郎の地蔵があることでも知られます。
たこ八郎は1970年代後半からテレビに登場するようになったコメディアンで、元はボクサーです。
1940年生まれで宮城県仙台市出身のたこ八郎は、高校時代にボクシング部に入り、件大会で優勝しています。
上京してボクシングジムに入ると、左目の障害を隠してプロテストに合格します。
プロボクサーとしてデビューすると1962年に日本フライ級チャンピオンになりますが、パンチを頭部に受けたダメージにより引退することになります。
有名なボクシング漫画のモデルとしても知られるたこ八郎は、ボクサーを引退してからテレビでも活躍するコメディアンの弟子となり芸能界にデビューします。
コメディアンとしても人気があったたこ八郎は、神奈川県にある海水浴場で心臓マヒで亡くなります。
法昌寺にたこ八郎の地蔵がある理由は、たこ八郎の菩提寺だったことが理由です。
たこ八郎の墓は宮城県の実家にありますが、東京でもお参りできるように発起人たちが地蔵を建てます。
この地蔵は一見普通の地蔵に見えますが、よく見るとたこ八郎の特徴をとらえています。
地蔵の耳は一部がなくなっていますが、これは彼が生前に酔っ払いに耳を噛み切られたことに由来します。
台座の側面には願主が並びコメディアンになるきっかけを作った師匠や友人だった映画監督、漫画家などが名を連ねています。
地蔵の後ろには石で作ったボクシングのグローブが置いてあります。
移転が多いが各地で崇拝されてきた
法昌寺は日照が開山となって1948年に下谷御切手町に創建されますが、1737年に現在の地に移転します。
法昌寺は法華宗の大本山である沼津岡宮光長寺の末寺になります。
光長寺は700年以上の歴史を誇り、日蓮上人が柳の枝で書いたと伝わっている二十八枚紙大曼荼羅や国重要文化財指定の宝物集などが所蔵されています。
多くの人々に崇拝され現在では若い人も訪れる法昌寺は、山号を日照山といいます。
境内に毘沙門天を待つことで下谷七福神の札所を勤めるようになり、毘沙門天を奉ずる毘沙門講も毎月のように開かれています。
江戸の五街道のひとつ日光街道は鶯谷から発しますが、法昌寺は鶯谷の界隈にある寺の中では人気がある寺です。
霊験あらたかな毘沙門天の寺として、多くの男女がお参りしています。
毘沙門天の前で講があるのは毎月3日です。
講とは太鼓を叩いて皆で南無妙法華経を読誦することで、寒行では太鼓を打ちながら町内を行進します。
入谷から吉原神社や隅田川の岸辺を通り、浅草寺の裏から入谷に戻ってきます。
住職が高名は歌人であることも人気がある理由のひとつです。
法昌寺の境内には桜が植えられています。
桜の木は太い幹とは正反対の細い枝が特徴で、淡い紅色の花を楽しみに訪れる人も多いです。
寒桜は開花期間が長く、寒さに耐えて咲き続けます。
最近は御朱印を集める人が増えていますが、法昌寺の御朱印は寺務所でもらえます。
法昌寺の最寄り駅は東京メトロ日比谷線の入谷駅になります。
入谷駅で下車したら歩いて2分ほどで法昌寺に到着します。
JR鶯谷南口からだと徒歩で約7分です。
上野駅JR入谷口から歩いていく場合は、徒歩で約13分かかります。