「英信寺」の三面大黒天は見応えあり!浄土宗の寺院

画像:英信寺

https://tesshow.jp/taito/temple_shitaya_eishin.html

「大黒天」を祀る!下谷七福神のひとつ

七福神めぐりは江戸時代からの慣わしのひとつです。
日本には様々な七福神めぐりがありますが、鶯谷から三ノ輪にかけてのエリアをめぐるのが下谷七福神めぐりです。
このコースは昭和50年代に始まっています。
他の伝統的なコースに比べると歴史は浅いですが人気はあります。
コースの中のひとつが英信寺です。
代表的なスタート地点はJR鶯谷駅になります。
下谷は東京の会社に勤めている人でも知らない人がいるようなマイナーなエリアで、駅だとJR鶯谷駅から東京メトロ日比谷線の三ノ輪駅にかけてのエリアです。
一般的には鶯谷駅のそばにある元三島神社がスタート地点となります。
この神社は鶯谷の有名なホテル街の中にあるため、初めて行く人はわかりにくいです。
コースの最初なので、色紙を使う人はここで七福神の色紙を購入します。
色紙にはめぐった神社・寺で御朱印を押してもらいます。
日本には様々な神社・寺があり、御朱印も神社・寺ごとに用意されています。
下谷七福神めぐりの3つめが英信寺になります。
英信寺は浄土宗の寺院で慶長年間に開かれたと伝えられます。
本堂は安永年間に建てられ、老朽化が進んだことで1973年に大幅な改修工事が行われています。
英信寺には商売繁盛の神様として有名な大黒天が祭られています。
大黒天とはヒンドゥー教の神が仏教に取り入れられたものです。
日本には密教が伝わった際に一緒に伝わっています。
大黒天は仏教の守護神のひとりで軍神の神とされますが、中国では財が強調されていたため日本でもそのイメージが強いです。
左手に大きいな袋を背負う神として人気があり、この袋には七宝が入っているとされます。

3つの顔を持つ三面大黒天を祀る

英信寺の大黒天は三面大黒天です。
正面に大黒天があり左は毘沙門天で、右が弁財天になります。
毘沙門天は四天王のひとりで北方を守っている守護神です。
邪気を踏みつける凛々しい姿から最強の武神と呼ばれ、江戸時代以降は勝負事に利益があると人気を集めます。
弁財天は七福神の中では紅一点の神様で、芸術と福徳の神として広く信仰されています。
ルーツは古代インドの水の神で、その後芸術の女神としても知られるようになります。
弁財天は琵琶を弾く姿が有名ですが、この姿は室町時代に加えられ定着したと考えられます。
江戸時代に七福神詣でが流行ると弁財天の役割も微妙に変化し、蓄財の神としても信仰を集めるようになります。
大黒天に毘沙門天と弁財天が加わったトリプルパワーの三面大黒天は、弘法大使こと空海の作だと伝えられています。
密教を日本に持ち帰った空海は、真言密教という形にまとめ、それがさらに発展したのが真言宗になります。
密教の聖地としては高野山や比叡山が有名ですが、全国の稲荷も密教の影響があります。
大黒天は密教用語が日本に入ってきたときに翻訳されて作られた言葉ですが、憤怒の形相は鎌倉期の頃までです。
英信寺の三面大黒天は創建当初から安置されていて、江戸時代から明治時代にかけての時期は特に信仰を集めます。
4代将軍の小姓だった亀山城主の息子は若くして亡くなり英信寺に葬られます。
亀山城主の息子の名が英信で、英信の姉が英信の木像を作って安置し寺号を英信寺と改めたことが寺の名の由来になっています。
三面大黒天は東京では2箇所しかない貴重なものです。
大灯篭は二基ありますが、この大灯篭は上野の寛永寺にあったもので戦後に移されています。

本堂正面に謎の巨大数珠!

三面大黒天には同じような顔を三面持つタイプと毘沙門天や弁財天を左右に合するものがあります。
普段を秘仏となっている寺も多く、寺によって神性も異なります。
英信寺では趣のある絵馬を購入することができます。
都心の寺ですが絵馬の価格はリーズナブルです。
英信寺の山門は、いつも掃き清められています。
山門を見ると紫雲山とあり、品のある山門です。
山門をくぐると立て札が登場し三面大黒天がアピールされています。
本堂正面には巨大な数珠があります。
一般的なお寺だとお賽銭箱の前には紐がぶら下がり、上を見ると鈴が付いています。
英信寺は巨大な数珠が吊るされているので、初めて訪れた人は驚きます。
滑車で吊り下げられ、数珠つなぎになった玉を引っ張ると音がします。
珠を操るとカラカラと音が鳴るユニークな数珠なので珍しく、ブログなどでもよく紹介されています。
念仏を唱えながら巨大な数珠を静かに回すのがコツです。
滑車がついているので、よく回ります。
何も言わずに数珠を回している人もいれば、南無阿弥陀仏とお念仏を唱えながら回している人もいます。
数珠を回すと数珠球が落ちて歯切れのよい音が周囲に響きます。
英信寺では入口付近には仏旗が掲げられています。
本堂は屋根の部分に霊獣が彫刻されています。
他の寺ではあまり見られない英語による案内もあります。
日本の文化に興味を持つ外国人観光客の中には、七福神めぐりをして楽しむ人もいます。
英信寺の三面大黒天は、外国人観光客からの人気も高いです。
鶯谷には昔ながらの銭湯もあり、下谷七福神めぐりのついでに銭湯に入ってのんびりと疲れを癒す観光客もいます。

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